自律神経失調症の症状やつらさのこと

15.Oktober.2016

自律神経失調症をこじらせた内科医の話 幸せなことって何?

僕は自律神経失調症が長引きこじらせ機能的疾患に苦しめられてきた
原因は家庭環境
具体的には父による教育虐待と精神的抑圧からだった

アダルトチルドレンとして生きねばならなくなった
つねに緊張感があり気持ちが安らぐことができない
自律神経が乱れやすくストレスがあるとひどくバランスが崩れた
ストレスが長く続いてしまったときついに自律神経の働きが恒常的におかしくなってしまった

自律神経は自分の意志ではコントロールができない 
代々医師一家だった僕は医師になるべく勉強してきた
だから自律神経を整える方法を知っていたし実践した
しかしどうしても回復してくれなかった

なぜか?
精神面の乱れは医学知識で対処しようとしても難しい
精神面に目に見えない
特に自律神経は意志の力でコントロールすることは非常に難しい


途方に暮れるしか無い
自律神経がおかしくなったまま僕はそれでも勉強を続けていた
しかしどうにも肉体的にも精神的にもしんどい

交感神経がおかしくなっていることは知識で知っていた
だけどどうにもできないのが自律神経だ
交感神経、副交感神経の働きを自由にコントロールできる医師はいない


動悸がひどく息苦しさがあった
特に頭痛が嫌だった
最初は頭が重かったが緊張性頭痛が起きるようになると常にイライラするようになった

これがずっと続くのか
最悪だ
なぜこんな目に合うんだ!!
なぜ治らない?
終わりの見えない苦しみはとてもつらい…

それもやばいほどのストレスになる…
身体も緊張し続け血液循環も悪化したという自覚があった
虚血感や血管が収縮した感覚もあった


脳が働かないから勉強にも身が入らない
成績も急降下していった

医師になるための最低ラインギリギリのところでしか頭が働かなくなった

緊張、不安、それが続くことの恐怖、何とかしないと生活の質がもとひどくなる焦り…
ストレスが健康を害し機能的疾患をひどくし
いずれ僕は器質的疾患にまで至ると思った

生活の質が崩壊した人間は幸せではない
幸せに生きられないように運命づけられている僕の人生は何なのだろう?
父を恨んでも始まらない
現実の自律神経失調症が治らないからだ
恨みで治るなら簡単なことはない

恨みはもっと心の抑圧を作ってしまう
精神面がもっとすり減らされていく…

ストレスは健康を大きく損なう
内科医になってからもそれは思い知ったが
若い頃から僕はそう自覚し無くてはならない人生を送ってきた


薬を服用しながら何とか日々をしのいできたが未来は暗かった
漢方療法、運動療法、自律訓練法、瞑想法、認知行動療法など
をやってきたが
やればやるほど原因解決の難しさにブチ当たってしまった…

アダルトチルドレンの自分を根本から解決しないければおしまい
だと思った
思えば最終的に解決できた方法に出会うまで何年も時間を無駄にしてしまったなぁ…
もっと早く解決できていたら良かった

ギリギリ医師免許を取得できたものの医師としてやっていく自信なんてゼロだった
今は自信が持てているがもっと早く自信を持って生きたかったな…
緊張から解放して安心を感じながら生きてみたかった…



これも解決できたから言えるセリフなのだから贅沢だと思いたい
幸せなことだ
今も苦しんでいることに比べれば

今は頭痛もないし緊張もないし不安もない
患者に自分の苦汁をなめてきた経験を噛み砕いたアドバイスをできている
精神面からのサポートも血肉となった経験則からできている

患者さんの笑顔がとてもうれしい
他の医師ではアドバイスを本質的にできないこともできるからだ
不定愁訴は本当にどの医師も対応に困っている

やっとわかってくれる先生に出会った!という笑顔と喜びの表情は
とてもうれしい!
医師という職業についてとても幸せに思える瞬間だ! 


健康的に生きられるってなんて幸せなことなんだろう…
本当にそう思います 





sunshinering at 22:27|PermalinkComments(0)

3.Juli.2016

自律神経失調症をこじらせるとうつ病になる ほったらかしは危険

自律神経失調症はとらえどころが難しい症状です
メンタル面から生じるものだから具体的にどうやればいいか
指導してくれる医師も少なく
安易に薬を処方されて紛らわせているうちにこじらせて悪化してしまう
それが長引くとうつ病になっていきます

僕も自律神経失調症をこじらせてしまい自律神経失調症の時点で解決できたから助かったけれど
うつ病になっていたらもっと回復は困難だったでしょうね
うつ病になった医学部時代の同級生をよく知っていますが
活力的なエネルギーがなくなりひと目ででうつ病だとわかりました

頭が良かった彼でもうつ病になると廃人のようになってしまったことにショックを受けたし
僕も自分の未来が心配でした
実際に自律神経失調症をこじらせたあげくうつ病になった患者さんを知っています
僕のところには体の不調でうつ病になってから来たのだけど話を聞いてみると以下の通りです
(もちろん個人が特定されないように配慮しています)



ある女性の話です
ストレスと過労が続いていた時に立ちくらみをして、息苦しさを感じるようになったそうです
病院に行ってみるとお決まりのように異常なし
しかし、ずっと慢性的に息苦しさや不安感が続き
次の病院に行ったら自律神経失調症と診断されました

向精神薬を出されたものの薬に頼ってしまって治らないんじゃないかと怖くなり
一度飲んだきり毎日何とか乗り切っていました
しかし倦怠感やめまいやイライラがひどくなっていき心療内科に行きました
出された薬を飲み続け漢方療法を続けるも悪化を食い止められない

次第に毎日が憂鬱になっていき自殺願望まで出てきたそうです
病院ではうつ病と言われ抗うつ薬を服用しその薬はどんどん増えていきました

その間も体調不良は悪化し続けて家事も育児もままならなくなり入院も経験しました
退院後もうつ病は寛解に向かわず微熱が続いた時僕の所に来ました

自律神経のバランスが乱れると毎日がストレスになります
機能的疾患が慢性化し原因解決ができないので悪化していきます
もともとストレスがあってバランスが崩れるから二倍のストレス
いや二の二乗で4倍の苦しみですね

交感神経ばかりが優位に立ち休まらないから
脳内の神経伝達物質であるセロトニンも出てくれなくなります
憂鬱できついことばかりだから長引くとうつ病に完全になってしまう

すべてのメンタルの苦しみは解決が為されないままだとうつ病に通じます


ガンも患者さんをどん底の精神状態に突き落としますが原因がはっきりわかっています
周りの人も励ましますが自律神経失調症などメンタルの症状は原因不明といっていいです
周囲の人もアドバイスしづらいし大抵「頑張って」で終わります
頑張ってきたから自律神経失調症になるのに…

がん患者さんはどこかで運命に立向う人が多いのですが
自律神経失調症はひたすら溺れたままもがく感じです
僕がそうだったから

だからいつか限界が来てうつ病に悪化していきます
うつ病にも自律神経失調症の症状が出るわけだからこちらも二重の苦しみです

肉体が不健康な状態になった場合、精神力も奪われてしまいます
だからますます解決が遠のきます

こういう例を持ち出すのもメンタルをほったらかしにして対策を取れないままに
悪化し続けてしまう多くの患者さんのようになってもらいたくないからです
早期発見、早期対策を根本的に取り組んでいきましょう

時間はとても貴重で一歩遅れてしまっただけでも人生が大きく左右されてしまいます 
ほったらかしにしていつか治ると思っていても現実は甘くないです

現実はとても厳しいものです
幸せに生きたい人ほど生きられない
僕もそうでした… 

※カテゴリ別の目次

内科医の思う病気とストレスのこと

内科医の思う病気・疾患のルーツ分析、整理

内科医の思う自律神経失調症のこと

内科医の思う更年期障害のこと

内科医の思う不定愁訴のこと

内科医の思う疾病恐怖症のこと

内科医の思う岩波神経症克服プログラムのこと

内科医の思ううつ病のこと

内科医の思う心気症のこと

内科医の思う質のいい睡眠と不眠症と健康

内科医の思うトランス呼吸法のこと

内科医の思うく健康と病気と死ぬこと




 


sunshinering at 22:02|PermalinkComments(0)

13.Juni.2016

自律神経失調症、不安障害…簡単に負のサイクルに陥ってしまいます

ストレスと病気、メンタルと病気にについて書いてきましたが
どうも不安を感じて生きている人ほど病気にかかりやすいようです
僕が診察してきた経験からいってもそうでした
特に全般性不安障害、不安障害、不安神経症と診断される人は要注意です

また自律神経失調症と診断されてしまった人は
必ず不安とストレスによって引き起こされています
これらの症状名がつくと症状自体がストレスと不安を呼び寄せるので
さらに症状がひどくなって言う可能性が高まります

更年期になると更年期障害の影が忍び寄ってきます
この時に自律神経失調症気味だったら、更年期障害は自律神経が整っている方に比べ、ひどく長く苦しい時間が続いていってしまいます 
体調が悪いとメンタルも悪影響を受けます
そうなると自律神経のバランスがもっと崩壊していきます

更年期障害が治らず更年期うつになってしまう人も多いのです
(参考)相互リンクしているミチコさんの更年期うつ病克服体験記のブログ 


自律神経って自己コントロールできないだけに、バランスが崩れたらとにかくしんどい!
なぜなら自分で治そうとしてもダメなのだから
無力感、どうしていいか分からない感…
だから先行きが不安になりもっと精神的にやられていくのです


何を隠そう僕が自律神経失調症と診断され長い間苦しめられてきました
とにかく体調が悪い!
毎日きつくてたまらない
だから不安でたまらない

で、もっともっと悪化していく…
いつ治るかわからないから将来が不安
毎日ストレス
これが続くかと思うとストレス
なぜこうなったのかと過去を恨んでまたストレス
自分を捨てない限りストレスが溜まり続けるのだから何をどうしていいかわからない
 
これでは僕が体を壊しやすくなってしまったのも無理はなかったのでした
自律神経失調症は慢性化すると本当に治りにくい症状です



僕のところにどう考えても自律神経失調症だなと思われる患者さんは結構来ています
目眩、吐き気、だるさ、頭痛など訴えて来るんですが
僕は経験者なので自律神経の働きが乱れているかどうかすぐわかるようになりました

話を聞いても家族問題や仕事のストレス
色々な人間関係や経済状態の悪化など不安や心配事がたくさんです
メンタル面で一杯一杯なのに
その上ストレスで身体まで壊したらもっとメンタル面が崩れます

人間は簡単に負のサイクルにはまって抜け出せなくなっちゃいます
ストレスを溜めないように要領良くなるか
メンタルが強くなるかが健康的に生活の質を向上させて生きられる一番の方法です

生活の質なき人生はやっぱりつらいもんです
僕は生活の質を取り戻せましたがクオリティ・オブ・ライフなき人生はもうたくさんだ! 





sunshinering at 22:23|PermalinkComments(0)