質のいい睡眠と不眠症と健康

7.August.2016

健康とストレスと病気 不安神経症から不眠症になり本当の病気になった女性の例

私のところに来た女性の患者さんの例です

彼女は必要以上に体調を気にし
それがストレスにより不眠症となり
ついに不安神経症となってしまいました

そして本物の病気になってしまった
ストレスがストレスを呼びメンタル面から崩れ本物の器質的疾患に至ってしまった例です
ストレスが健康をいかに害し病気へとつながってしまったかわかります

そしてもう一つ重要なことは医師の何気ない一言で体調を必要以上に気にして
病気への恐怖に支配されて不安神経症が始まってしまったということです
つまり医師の言葉は非常に重みを持ち患者さんの人生を大きく左右してしまうということです

だから僕も気をつけなくてはいけないと思いました
この患者さんから話を聞いてから本当に気をつけて言葉を選んでいます



元々の発端は胃腸の不快感がずっと続いたことで内科に行ったそうです
まだ結果がクロだと分かってないのに内科医の医師から
「これはちょっとまずいかもしれませんねー」の言葉を吐かれ
非常にショックを受けたそうです

その医師はもともと怖い顔をしていたそうで余計深刻に受け止めてしまったということです
それ以来ガンではないかと心配になり一層胃腸が痛みだしたそうです
不眠も徐々に始まり
身体が休まらないともっと悪化するのではないかという恐怖に支配されました

内視鏡検査をした結果「腫瘍のようなもの」があるかもしれないと言われました。
女性には2人の子供がいて
まだまだ小さい子供がどうなってしまうんだという不安で完全に不眠症になってしまったそうです

ストレス、不安でどんどん胃腸がキリキリ痛んでいく
立ってもいられないほどの目眩やたちくらみ、吐き気も始まり
いよいよ本物のガンではないかと確信し始めたそうです

仕事も休職して休もうとしたけれどQOLは完全に崩壊され
子供の世話もできなくなり夫に頼ってしまう罪悪感も生まれました
未来への不安と子供たちへの心配、病気の可能性、はっきりある自覚症状…

メンタルも完全にやられてしまい抗不安剤を服用するようになりました


しかしその『腫瘍のようなもの』は悪性でもなく
ちょっとした腫れで問題ないと言われたそうです

医師に不信感を持った女性は色々な病院を訪ね歩きました
結局重大な疾患はなくその時は安心したそうです


ですが一度刻み込まれたトラウマのような健康不安が消えることはなかったとのこと
不眠は続き偏頭痛が起き吐き気も目眩も続く…
疾病恐怖症のように病気への恐怖と不安だけで日々を過ごしていました

会社にも復帰したものの以前のような働きができず
産業医に相談した所心療内科を紹介されました
そこで不安神経症と言われたそうです


もう抗不安剤を手放すことができず睡眠導入剤の量は増えていきました
それでも健康と病気への不安と懐疑心は抑えられず薬もますます効果が出なくなりました

薬の副作用もひどくなりその副作用も病気のせいではないかと疑い出しました
器質的疾患はないのに器質的疾患を見つけ出せないと気がすまない
負のサイクルに入ってしまいました…

どの病院に行ってもガンはない
でも不安でたまらない
考えることは体の不調のこと…
毎日がストレス
寝ても不眠症起きても健康不安とストレス


そして病気への恐怖のストレスがストレスを呼び続け
悪い流れを断ち切れないまま交感神経ばかりが優位になりました
血液循環や粘液分泌が阻害されたり減少したりして胃粘膜の抵抗力が弱まり
自らの胃液により炎症が起きました
神経性胃炎、ストレス性胃炎でしょう

ストレスにより自律神経のバランスが崩れるとどんな人間でも
病気になりやすくなります
生活の質が著しく害されます
私もそうでした


病院への不信感から様々な民間療法を手当たり次第やり続けていた結果 
胃炎がガン(初期状態)に発展してしまいました
そのときに私のところに来たのです

話を伺ってみると上述した経緯でした

本物の病気をストレスが作り出してしまったいい例でしょう


 
カテゴリ別の目次

内科医の思う病気とストレスのこと

内科医の思う病気・疾患のルーツ分析、整理

内科医の思う自律神経失調症のこと

内科医の思う更年期障害のこと

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内科医の思う疾病恐怖症のこと

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内科医の思ううつ病のこと

内科医の思う心気症のこと

内科医の思う質のいい睡眠と不眠症と健康

内科医の思うトランス呼吸法のこと

内科医の思うく健康と病気と死ぬこと






sunshinering at 19:37|PermalinkComments(0)

9.Juli.2016

ストレスからの回復と健康寿命を延ばすには質の良い睡眠にあり

僕らはストレス社会で生きていて普通に生きてりゃストレスを感じます
これはどうしようもない
過大なストレスを受け続けなければ無問題
自分でストレスを感じる生き方をしなければ大丈夫

ただし質が悪い睡眠を続けるとストレスからの回復ができない
これは大問題です
熟睡感が得られない不安と焦り
蓄積される肉体疲労がひどいストレスにつながってしまう
昼寝できる人ならいいけれど仕事を日中しなくてはいけない人は
仕事のストレスも普段の何倍にも感じるはず

悩みがあると寝付きが悪く熟睡感もなく中途覚醒や早朝覚醒をしやすい
不眠症の人は例外なく非健康体だしストレスがあるから不眠症だし
不眠症だからストレスが抜けてくれない
負のループです


僕の経験から書きますが悶々とした悩みごとがあると
いい睡眠がとれず精神疲労と肉体疲労がひどくなり
生きにくさを感じるストレスが増していきます
特に研修医として内科医として多忙で覚えなくてはいけないことが多い時期に
不眠症気味は大きなストレスとなっていました
仕事から帰ったらバタンキューですぐ寝てしまうのですが
必ず途中で目覚めてしまうんです

すぐ眠れるならいいけれど動悸がひどくて落ち着かなくなり
漠然とした不安や焦りの気持ちでそわそわし始めます
じっとすることもできず目を閉じようとすると
悪い感情が湧いて出てきて苦しみが増す一方でした
それはアダルトチルドレンとして心の抑圧が積み重なっていたことが原因です



朝起きても仕事に行くことが億劫になり
心地よい睡眠も得られないままなのでボーッとした頭で出勤してしました
いつも体調的にだるさや違和感や痛みを感じていたのも
睡眠が悪かったせいもあるでしょう

よく眠れなかったというストレスは半端ないです!
心がすり減っていきます
じわじわじわじわと…

人はよい睡眠を取れるから
日中あったストレスを一回リセットできてまっさらな気持ちで動けます
一日で回復しなくても何度か寝てりゃ嫌な出来事を忘れていきます

脳が一度リセットできるのが睡眠の理想なのに
僕は深夜に目が覚めて嫌な思いを味あわなければならなかったわけですね

ぜひみなさんも質の良い睡眠をとれているかどうかで健康のバロメーターを測って下さい
ストレスがあっても良い睡眠をとれているならば健康でいられる証拠です
もし不眠症気味になっているのならば気をつけて下さい


不眠症だからと言ってすぐうつ病ではないかと心配する必要はありません
しかし不眠症がずっと長引くとうつ病や器質的疾患につながりやすいのは確かです

眠りは健康すべてのベースです
眠りが浅かったり不眠の人は必ず内面に原因があります
 
 


sunshinering at 20:49|PermalinkComments(0)